<いろはたとえ双六 U>


○郷に入っては郷に従え
人はその住んでいる土地の風俗・習慣に従ってふるまうのが処世の道である。

○弘法にも筆の誤り
どんな達人・名人でも、ときには失敗することがある。

○紺屋の白袴
紺屋がふだん白いはかまをはいていたことから
自分の専門のことでありながら
自分自身のことについてはなかなか顧みる余裕がないものだ。

○虎穴に入らずんば虎子を得ず
危険を冒さなければ、りっぱな成果はあげられない。

○子は三界の首枷
子を思う心のために、親は自由を一生束縛されるものだ。

○転ばぬ先の杖
何事も失敗しないよう、前もって注意をしておくことが肝要だ。

○先んずれば人を制す
人の機先を制してものごとを行えば、相手の気勢や計画をくじいて有利になる。

○猿も木から落ちる
その道にすぐれた者でも、時には失敗することがある。

○去る者は日日に疎し
@死んだ者は日がたつにつれて忘れられる。
A親密な者でも遠く離れると、しだいに親しさが薄れていく。

○触らぬ神に祟りなし
関係しさえしなければ、その事によって災難を受けることはない。

○三人寄れば文殊の智慧
愚かな者でも三人集まって相談すれば、よい智慧が出るものだ。
<文殊は智慧をつかさどる菩薩>

○鹿を追う者は山を見ず
利益を得ることに夢中になっている者は、周囲の情勢に気がつかないものだ。

○地獄の沙汰も金次第
公正厳格な地獄の裁判でさえ金を出せば有利にはからってもらえる。
ましてこの世の中は万事金の力で左右されるものだ。

○朱に交われば赤くなる
人は交際する友達によって善にも悪にも感化される。

○知らぬが仏
何事も知らないでいれば腹も立たず平気でいられるものだ。

○雀百まで踊り忘れず
幼い時に身につけた習慣は、年をとってもやめる事ができない。
<年をとっても道楽の癖がなおらないことに多くいう>

○急いては事を仕損じる
ものごとは、あせってやると失敗しがちなものだ。

○千里の行も一歩から起こる
道路を行くにもまず一歩から始まるように、大事業も手近なものごとから始まる。

○袖摺り合うも多生の縁
道行く人、見知らぬ人とそでが触れ合うのも前世の因縁による。
この世のちょっとした出来事も、すべて前世からの因縁によるものだ。

○備え有れば患え無し
いつも怠らず準備をしている者は、万一のことが起こっても心配しないですむ。

○損して得取れ
目先のわずかな利益を考えず、将来の大きな利益を得ることを考えよ。

○大欲は無欲に似たり
@大きな望みを持つ者は、小さな利益を顧みないから一見無欲のように見える。
A欲の深い者は欲に目がくらんで、かえって損失を招きやすく
無欲と同様の結果となる。

○立つ鳥後を濁さず
立ち去る者は、あとが見苦しくないよう注意して始末すべきだ。

○蓼食う虫も好き好き
辛いタデの葉を好んで食う虫もあるように、人の好みはさまざまなものだ。

○棚から牡丹餅
思いがけない幸運にめぐり合う。

○旅の恥は掻き捨て
旅先での恥は、知っている者もいないし、長くとどまっているわけでもないから
格別気にすることはない。

○旅は道連れ世は情け
旅先では、道連れを得て互いに助け合うのが心強いように
世間を渡るにも、各人が思いやりの心を持って暮らすことが大切だ。

○玉磨かざれば光なし
どんなにすぐれた天分・才能をもっていても
努力して学問・修養を積まなければ有用の人にはなれない。

○塵も積もれば山となる
わずかなものでも数多く積み重なると高大なものになる。

○月夜に釜を抜かれる
明るい月夜に、暮らしに大切な釜を盗まれる。ひどく油断していることのたとえ。

○角を矯めて牛を殺す
小さな欠点を直そうとして、かえってそのもの全体をだめにしてしまう。

○爪に火をともす
ろうそくの代わりに爪に火をともすほど、ひどくけちだ。

○聾の早耳
@つんぼはたぶん聞こえないのに悪口などはよく聞こえる。
Aつんぼは聞こえないのに聞き取れたふりをして早合点する。

○亭主の好きな赤烏帽子
たとえどんな異様なものでも、一家の主人の趣味とあれば
家の者はそれに同調しなければならないし、またするようになる。
<烏帽子は黒塗りが普通>

○出る杭は打たれる
@あまり人よりすぐれている者は、他人から憎まれがちだ。
A差し出たふるまいをする者は、人から制裁を受ける。

○灯台下暗し
身近なことは、かえってよくわからないものだ。
<灯台は灯明台>

○遠くの親戚より近くの他人
火急の場合には、遠くに住む親戚よりも
近所に住む他人のほうが頼みになる。

○年寄りの冷や水
老人が身のほどを考えない元気のよい行為をしたり
差し出たふるまいをしたりする。
<冷やかしや忠告の意で使う>

○捕らぬ狸の皮算用
事がまだ実現するかどうかわからないうちから、あれこれとあてにする。

○泥棒を見て縄をなう
事が起こってから、あわてて用意をする。
ふだん準備を怠っていて、いざというときに間に合わなくなる。

○鳶が鷹を生む
凡庸な親が、すぐれでりっぱなこどもを産む。

○長い物には巻かれろ
自分より力の強いもの、権力のあるものには抵抗せず服従したほうがよい。

○泣く子と地頭には勝てぬ
泣いて駄々をこねる子には従うよりほかないと同様
横暴な権力者の無理には従うよりほかしかたがない。

○情けの人は為ならず
他人に情けをかけておけば、めぐりめぐって必ず自分によい報いが返ってくる。

○怠け者の節句働き
ふだんなまけていると、世間の人が休む日に働かねばならない。
休みの日に働く者を卑しめさげすんでいう。
<昔の村の生活では、祭の日は村全体が休んで慎む日であった>

○二階から目薬
@まわり遠くてほとんど効果がない。
A思うように届かなくて、もどかしい。



<いろはたとえ双六 T>
<いろはたとえ双六 V>



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