<いろはたとえ双六 V>


○憎まれっ子世にはばかる
人から憎まれるような者が、かえって世間では幅をきかせて威勢をふるう。

○二兎を追うものは一兎をも得ず
同時に二つのことをしようと欲を出すと、両方とも失敗する。

○人間到る所青山あり
墳墓の地は故郷ばかりでなく社会のあらゆる所にある。
男子は広い社会へ進出して大いに活動すべきである。釈月性の詩から。
<「人間」は人の住む所、世の中。
「青山」は蘇軾の詩にある語で、死んで骨を埋める所の意>

○盗人の昼寝
盗人は夜仕事をするため昼の間は寝る。悪事の準備をする。

○猫に小判
どんなに値打ちがあるものでも
その価値のわからない人には何の役にも立たない。

○能ある鷹は爪を隠す
本当に実力のある人は、むやみにそれをひけらかすようなことはしない。

○喉元過ぐれば熱さを忘る
苦しいことが過ぎ去ってしまうと
その苦しさやそのとき受けた恩などはとかく忘れがちなものだ。

○馬鹿と鋏は使いよう
切れない鋏でも使い方次第で切れるように
ばか者でも使いようによっては役に立つこともある。

○花より団子
風流より実利をとる。外観より内容を選ぶ。

○贔屓の引き倒し
ひいきしすぎて、かえってその人を不利な目に合わせること。

○庇を貸して母屋を取られる
@一部の使用を許したため、やがて本拠まで占領される。
A恩をあだで返される。

○膝とも談合
よくよく困った時相談相手がないと自分の膝でも相談の相手にする。
どんな人でも相談すれば、それだけの利益がある。

○人のふり見てわがふり直せ
他人の行動の善悪を見て自分の行動を反省し、欠点を改めよ。

○人を呪わば穴二つ
人を呪って殺そうとすれば、自分もまた殺される。
人を傷つけようとすると、自分もまた害を受けることになる。
<穴は墓穴の意味>

○人を見て法を解け
人はそれぞれ性格が異なるから
相手によって手段を変えなければうまくゆかない。

○火の無い所に煙は立たぬ
うわさがたつには多少なりとも何かよりどころがあるものだ。
全然事実がなければ、うわさは立たない。

○瓢箪から駒
@意外なところから意外な事実が現れる。
A冗談に言ったことが事実になる。
B道理上あるはずがない。

○貧すれば鈍する
貧乏すると、利口な人でも愚鈍になる。

○夫婦喧嘩は犬も食わぬ
夫婦喧嘩はたいていつまらぬことが原因で一時的なものだから
他人が仲裁に入るのは愚かなことだ。

○仏の顔も三度
どんなに寛大な人でも、たびたび無法なことをされれば、ついには怒る。
<「仏の顔も三度なづれば腹を立つ」の略>

○蒔かぬ種は生えぬ
何もせぬのに利益を期待しても得られない。
原因のないところに、結果のあるはずがない。

○負けるが勝ち
一時的には相手に勝ちを譲っても
大きな目で見れば結局は有利な結果になる。

○待てば海路の日和あり
我慢して気長に待っていれば、やがてよい時機もめぐってくる。

○身から出た錆
自分が犯した悪行のために自分が苦しむ。
<刀身から錆が生じることから>

○無理が通れば道理引っ込む
道理にはずれたことが世の中に通用するときは
正しいことは行われなくなる。

○めくら蛇におじず
恐ろしさを知らぬ無知な者は、どんな大胆なことでもする。

○餅は餅屋
ものごとにはそれぞれ専門があって
専門家のすることに間違いはない。

○門前の小僧習わぬ経を読む
常に見聞きしていると、知らず知らずのうちに習熟するものだ。

○安かろう悪かろう
値段の安いものは品物の質も悪い。
物の値段はその品質に相応しているということ。

○安物買いの銭失い
値段の安いものはそれに相応して質が粗悪だから
安いということだけで買うと結局損をする。

○柳に雪折れなし
柔軟なものは剛直なものより、よくものごとに堪えることができる。

○柳の下にいつも泥鰌は居らぬ
一度まぐれ当たりの幸運を得たからといって
いつも同じ方法でそれが得られるものではない。

○藪をつついて蛇を出す
しなくてもよいことをして、かえって災難を受ける。

○闇夜の鉄砲
@当たらないこと。ききめがないこと。めあてがないこと。
A防ぎようがないから恐ろしいこと。

○葦の髄から天井覗く
細いヨシの茎の管から天井を覗いてみても、全体を見ることができない。
狭い自己の見聞に基づいて万事を判断しようとする。

○夜目遠目笠のうち
女の顔や姿が実際より美しく見える場合を三つあげたことば。

○来年の事を言えば鬼が笑う
未来のことは予知することができない。

○律義者の子沢山
まじめでよく働く者に子が多い。

○良薬は口に苦し
よく効く薬は苦くて飲みにくい。
人の忠言は聞きづらくても身のためになる。

○類は友を呼ぶ
同じ趣味・傾向・主義を持つ者同士は自然に寄り集まるものだ。

○瑠璃も玻璃も照らせば光る
物は異なるが光を受ければともに輝く。
<「瑠璃」は青色の宝石、「玻璃」は水晶、または硝子>

○論語読みの論語知らず
書物の上の知識だけで、実行の伴わない人を、あざけっていうことば。

○論より証拠
ものごとを明らかにするには議論するより証拠を出すほうが早い。

○我が身を抓って人の痛さを知れ
自分の苦痛に引き比べて他人の苦痛を思いやるべきだ。

○渡る世間に鬼はない
世の中には無慈悲な人ばかりがいるわけでなく、人情深い人もいる。

○笑う門には福来る
笑い声の満ちたなごやかな家庭には自然と幸運がやってくる。

○破鍋に綴蓋
@似通った者同士が夫婦になるのがふさわしい。
Aどんな人にも、それ相応の配偶者はあるものだ。
<破損したなべも、それにふさわしい蓋があるということから>



<いろはたとえ双六 T>
<いろはたとえ双六 U>



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